■ 香港経由、旅たびアジア

チュニジア編タイトル

< ベルベル人の穴蔵住居 >

クサールと野良猫

いつも旅先では、きれいな景色や建物よりは、普段の生活の人間の写真を撮るのが好きな私。観光先も、きれいな景色を見るより一般家庭を覗いてみたい。

今回、チュニジア南部(サハラ砂漠の隣)での宿泊は、ホテルの数も少なく、万一の為に 「すみませんが、今晩泊まるホテルが無いので、お宅に1晩泊めてもらえますか?」 というフランス語も紙に書いて、香港合気道のフランス人に発音指導までしてもらって臨んだ。

しかし、残念ながら 幸い、到着後すぐにホテルの宿が取れた。発音指導までしてもらったこのフランス語は使う場面が無かった…。

私が狙っていたのは、ベルベル人の住んでいた住居跡をそのままホテルにした所。

なんと、北アフリカの先住民族であるベルベル人は、地面を掘って土の中に住んでいたのだった。まるで、モグラのように。

過激なアラブ民族から逃れるために、地面の下や、山肌に直接穴を掘って身を隠しながら暮らし始めたベルベル人の歴史が垣間見られる貴重な資料だ。

このように地面に穴を掘っただけのベルベル人の住居跡をホテルにした所が数件あり、最近建設されたきれいなホテルに泊まるより、こんな所に泊まる方がよっぽど文化的体験ができるじゃないか。あぁ、気分はモグラ…あ、いや、ベルベル人。

上からみた中庭ホール
上からみた中庭ホール
地面の下に掘られている
吹き抜けの青空中庭ホール
吹き抜けの青空中庭ホール
各ドアは客室のドア
部屋の中
部屋の中。壁はでこぼこ
ドアと壁の間に隙間が…

さすがにホテルなので、土の断面(壁)や、部屋の中は白くペンキで塗られているが、彫ったそのままの形なので、各部屋の形が1つ1つ違い、ドアも内壁もいびつな曲線。

地面に大きな穴を掘り、その青空ホールのような中庭から、さらに四方に穴を掘り、部屋とする。その青空ホールから横に地面を掘り進んで通路を作り、その先にまたホールを作る。

それはまるで、地面の下に作られた水平な蟻の巣のような感じなのだった。上から見た見取り図を描くと、こんな感じ。        ↓

見取り図
白い丸が空まで吹き抜けの青空ホールの中庭。私が泊まったのはピンクの部屋

思いっきり青空吹き抜けになっていてもOKなのは、ここが雨の降らない砂漠地帯だからかも知れない。穴の中は、さぞかしあんなモノやこんなモノが住んでいるかと思いきや、乾燥しているので何もいない。壁の穴ぼこに巣を作ってクモが住んでいたぐらいだった。

掘った穴が適当なのに四角い木のドアがしつらえられているので、形が合わなくてちゃんと閉まらないし、鍵もチェーンのみ。猫が出入りできるぐらいの隙間が空くのでチェーンを掛けると人間は入って来られないかも知れないが、サソリぐらいなら余裕で入って来るかもなぁ…。

ベルベル人って、こんな所に住んでいたのかぁ。本やTVで見るより、実際に泊まってみるとよくわかるもんだ。

ここのホテルもスターウォーズの撮影に使われたので、その場所は今は 「スターウォーズ・バー」 として営業しており、また、撮影に使われた中庭ホールもそのまま残っているので、このホテルは一生 「スターウォーズ」 だけで食っていけるんだろうなぁ(´∀`;)

スターウォーズのファンの方はぜひ。というより、現地民族の生活様式に興味がある方は、ぜひ。ここは貴重なベルベル人の生活様式のわかる立体資料として、永遠に残してほしい。

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