<つづき>
お姉さんの家のファミリー・テンプルに招かれて、幸せなひとときを過ごした私、でも、どうしても寺院へ行って祭の様子を見てみたい!
道行く人に聞きまくっていると、近くの寺院で集まりがある、という有力な情報が!ここからそう遠くないらしい。行けるぞぉ (゚∀゚)
しかし、寺院へは正装でないと入れてくれないのだ。寺院へ入るには、バリの正装であるサルンという腰巻を手に入れなければならない。とりあえず、近くのマーケットで1枚サルンを買う。とりあえず、と言いながら私の好きなピンク色を選んでみる。値切りたおす。
そして女性はこれに、思いっきりブラが見えるスケスケのレースでできたブラウスを着る。いや、これは私は着なくていいことにしようかな。…うん、しよう。ま、外人だし(´∀`;)
そして道行く人に場所を聞きながら寺院へ向かう。
寺院の中はすごい人だった。正装したバリ人が既に山のようにいた。やはり大きな祭だったのだ。男性のガムラン隊だけでなく、女性のガムラン隊もいた。(※ガムラン…祭で演奏されるバリの伝統楽器。金色の音色が空中を舞う鉄琴)
女性は頭の上にお供え物を乗せて運ぶ。そんな数のお供え物、一体どこに置くんだ!?というぐらいのお供え物。すんごい数の供物と、すんごい数の人とバロン(※上の写真。祭り用聖獣)。
うぉぉ~、これぞバリ! あぁ、とってもバリ! 心の底からバリ!o(^▽^)o
感激に浸っていると、突如バロンのようなものを被った男がこちらに突進してきた。やばい。既に目が完全にイッちゃっている。トランス状態だ。目は前を見ているのに、どこも見ていないように虚ろだ。逃げてもしつこく突進してくる!「こわ~い!」 と逃げ惑っていると、周りの人々が 「伏せて!座って!」 というので彼の視界から逃げるように速攻でしゃがむ。
ホッとする間もなく、別の方向からガムランとも違う 「チリンチリンチリン…」 という鈴の音が聞こえてくるので見ると、おばあさんが鈴を振ってトランス状態で踊っているのだった。やはり、目がイッちゃっている。回りの人は平気な顔で儀式を続けている。
どういうワケか、バリの儀式では、ガムランの音の中でトランス状態になる人がいるのだ。何かを降臨させているのかな?それとも、勝手にトランス状態に入るのかな?
とても神秘的で厳かな雰囲気の中でバリの儀式は延々と続いていく。もう日が暮れかけていた。やっぱり来てよかったぁ~。バリには、他のどことも違う独特の風景があるのだ。
感激のあまり、私は泣きそうだった(T∀T)
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