■ 香港経由、旅たびアジア

香港生活編タイトル

< 浮浪者と黒い犬  -前編 - >

果物屋さん

大陸(中国本土)では犬は立派な食材だろうけど、実は知らない人が多いが、香港は犬・猫は食材ではなく、ペットの分類なのだ。
断じて香港人は犬・猫は食べない!

香港で犬・猫を食べている人は、たいてい大陸からの移民で、近所の猫をこっそり捕まえて虎鍋(猫の鍋)にしている輩を近所の香港市民が警察に通報し、この虎鍋野郎は豚箱にぶちこまれた、という、ほのぼの(?)事件が新聞に載ったりするぐらいだ。

私は、中環(セントラル)から私の住んでいる尖沙咀(チムサーチョイ)までフェリーを利用することが時々あるが、この中環のフェリー乗り場までの渡り廊下を住処にしている浮浪者の集団があった。

渡り廊下にダンボールと古い毛布で作った家(?)が数軒ならんでいて、数人の浮浪者が仲良く住んでいるようだった。

その中の1人が、黒いかわいいミックス犬を飼っていた。
日本でも浮浪者と犬はワンセットになっているが、香港でもそうなのか?

なぜいつも浮浪者は犬を飼っているのか?
寒いときに暖をとるためか、絶対非常用の食料だ、と思っていたのだが、その仮説は打ち砕かれ、この黒い犬は浮浪者に大変かわいがられていた。

どんな犬でも、絶対に犬の前を素通りできない私…(・∀・)

フェリー乗り場までにこの渡り廊下を通るので、その度に黒い犬と遊んでいた。普段から、飼い主や隣近所の(?)浮浪者にかわいがられているからか、人間に大変よくなつく、かわいい犬で、いつも機嫌よく遊んでくれた。

黒い犬はクロではなく、名前をアロイといった。

いつもアロイと遊ぶので、そのうちに飼い主の浮浪者とも顔見知りになり、私が通りかかると挨拶しあう仲になった。

…なんでやねん。

しかし、この飼い主は、私に物乞いをするわけでもなく、ただ私がアロイと遊んでくれるのが嬉しいようだった。

「こいつはなぁ、ホット・ミルクティーが大好きなんだよ」

って、おっさん、自分が飲みたいだけなんじゃないのか!?( ̄ロ ̄;)
手が込んだ要求をするなぁ、飼い主浮浪者。

まぁ、私もアロイがかわいいので、言われるままに速攻でミルクティーを買いに行って与えると、一心不乱にミルクティーを飲むアロイ。

「よかったなぁ、アロイ。お姉ちゃんがミルクティー買ってきてくれたぞー」

…疑ってごめんよ、おじさん(´-`)

またある時は、
「こいつはなぁ、白切鶏飯(鶏ご飯)が大好きなんだよ」

って、こんどこそ、おっさん、自分が食べたいだけなんじゃないのか!?( ̄ロ ̄;)
私が素直に買い与えると思ってるのか!?

まぁ、私もアロイがかわいいので、言われるままに速攻で白切鶏飯を買いに行って与えると、一心不乱にご飯を食べるアロイ。

「よかったなぁ、アロイ。お姉ちゃんが鶏ご飯買ってきてくれたぞー」

…疑ってごめんよ、おじさん(´-`)

「こいつはなぁ、贅沢者で、いつも鶏ばっかり食べてご飯を残すんだ。こら、ちゃんと全部食べろ、アロイ」

こうして、浮浪者と私の…じゃなくて、アロイと私の絆は深まっていった。


※注意:アロイはなぜか大丈夫ですが、普通は犬に骨付の鶏肉を与えてはいけません!!

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