■ 香港経由、旅たびアジア

中国編タイトル

< 村へ 5  -山の中へ- >

市場のおばあさん

< つづき >

メイメイの家から、山の中にあるおじいさんの家に2台のバイクで移動する私たち。

山の中は、ほんとう~に真っ暗だった。山の木々が覆いかぶさっていて星も見えない。バイクの前方のライトだけが道を照らしている。私の背中に貼りつく闇のかたまり…。そ~っと後ろを振り返ってみる。目を開けてもつぶっても同じだった。

実は私は大阪と香港にしか住んだことがないので、こんな田舎には慣れていないのだ。

怖い…(゚∀゚;)

後を走るもう1台のバイクはスピードが遅いのか、かなり引き離されていて姿が見えない。私の後には、ただ暗闇があるのみ。今、私を乗せているこのお兄さんが横道にそれてライトを切れば、誰からも私達の姿は発見できないんじゃないか? 何があっても朝まで気づかれないんじゃないか?

私はお兄さんと2人きりだった。そして貴重品は私のカバンの中にあったのだった。

初めての海外旅行がこの村なら、私は疑う気持ちがみじんも沸かなかったかも知れないが、既にいくつかの怪しい国を通り過ぎてきた私、ふと心の片隅で警鐘が鳴った。

「ちょっと待って。停まって後のバイクを待とうよ、今すぐ!」
と、北京語もタイ語もわからないので、日本語でお兄さんに言う。私の必死の訴えをわかってくれたので、停まって暗闇の中で後のバイクを待った。
※旅友も香港在住なので、私も彼女も広東語がわかるが、広東語が通じる以外の地域では、英語は私担当、北京語は彼女担当になっている。今回の旅は北京語で会話が進んでいる。

ほどなくして、後のバイクが追いついてきた。
「あっ、こんなところでどうしたの? 私たちを待ってたの?」 とメイメイ。

はい、そうです。 95%の信じる気持ちと、5%の疑う気持ち、これは大切なんです。場合によってそれが 80%と20%になったり、65%と35%になったりするのだ。現地の人とのふれあいは旅の醍醐味だけど 99%が100%になってしまってはダメなのだ。

メイメイは良い人たちだった(^-^)

ここからは、バイクでは通れないような細い山道を下るのでバイクを降りて歩く。しかし、バイクのライトを切るとほんとう~に真っ暗闇で、どこが道なのか見えない!!さぁ、ここで私の持ってきた懐中電灯の出番だ。持っててよかった懐中電灯(^-^)

と、思ったら、肝心なところで懐中電灯の電池が今にも切れそうだ。ヤバイ!なんで私って、いっつもこうなんだぁ~。頑張れ、懐中電灯っ、もう少しだ。

暗闇の中、懐中電灯で照らした1~2m四方の地面しか見えないので、足を滑らしそうだ。

「待って~、懐中電灯で足元を照らしてくれないと、地面が見えな~い!」
「照らしてるんだけど、電池が…。あ、点いた! あ、消えた。あぁ…」 (´Д`;)
「道はそっちよ、気をつけて!」
「あぁっ!」 ズルズルズル~っ 「つかまって!」

おじいさん、なんでこんなサバイバルな場所に住んでるんですか??もっと平たい地面に住もうよ!山の中に小屋を建てなくても町に住もうよ、町に! はぁ、はぁ…。

「着いた。ここがおじいさんの家よ」

ん~、真っ暗…(´∀`;)
一体どこに家が? とにかく懐中電灯で照らした わずかの地面だけが暗闇に浮かぶ。おじいさんの住む小屋がどんな様子なのか見たかったのだが、全く見えないのだった。きっと、ゲゲゲの鬼太郎の家のような感じなんだろうと想像する。

おじいさんの小屋も高床式になっているようだった。手作りの木の階段で2階へ上る。地面では豚の鳴き声がしているので、1階が豚、2階が人の住居になっているようだった。

「ようこそ、いらっしゃい」(^∀^)

あぁ、おじいさんもおばさんも親戚の子供もメイメイの愛する人の友達も、みんな一緒に一家団欒!夕餉の団欒!この、おじいさんの家に招かれたひと時が、今回の旅のクライマックスのような気がした。

もうちょっと、つづく。

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