< つづき >
「村の人は初めて日本人を見るので、きっと珍しくてジロジロ見られると思うけど気にしないでね」
メイメイは何度もそう言うが、そんなの全く気にしないよ~。そんな村の生活が見てみたかったんだよ (^-^)
と、村に入ったら、瞬間で村人が寄ってきた!私達が珍しいのか?「何ジン?何ジン?」などと聞いているようだ。
どこからともなく、子供達が集まってくる。しかも、ついてくる。
ハーメルンの笛吹きかよ!?(゚∀゚;)
嬉しそうに、きゃーきゃー言いながらついてくるくせに、私達が振り返ってしゃべろうとすると、恥ずかしがって後ろを向いてしまう。
だるまさんがころんだ、かよ!?(゚∀゚;)
しかも、何気に子供達の中に、オレンジ色が混じっていた…。やはりな…。
子供だけではなかった。これまた、どこからともなく、おばさんの2人組がこっそり後をつけてきており、どうやら買い物のフリをして私達の顔を見に来たようだ。
まるで珍しい動物になった気分だ。パンダもこんな気分?
この村はどこの家も素朴で、1階は物置か何かにしているようで住居は2階だった。手作りな感じの家ばかりだ。床も壁も板を継ぎ合わせてあるので隙間だらけだ。でも、ちゃんとベランダも作ってある。
ベランダから外を見ると、いつのまにかワラワラと人が集まってきていた。すごい注目度!「村に初めてパンダがやってきた!みんな見に行こう!」 って感じなのだった。
いつの間やら、家の敷地の中までワラワラと人が入ってきていた。大人も子供も!そんなに珍しいのかよ~?
庭を見に来てよ、というので、庭に下りる。なんと、庭には様々な草木が生えており、さっきメイメイが市場で 「それ以上は買わなくても家にあるからいい」 と言っていたのは、買い置きではなく庭にいくらでも生えている、という意味だったのだ。
そして、珍しい動物になった私達は、ご飯が炊けるまでメイメイの家の中でスイカなどを食べながら待ち、その間も、近所の子供達は家の中まで入ってきて遠巻きに私達をジッと観察する。この線からは入ったらダメ、と言われているのか、ある一定の距離からは近付いて来ないが、「あ、しゃべった!」 とか 「あ、食べた食べた!」 とか言っているようだ。 楽しんで下さっているようで、なによりだ。
その間なんと、メイメイはきれいなタイ族の衣装に着替えてきてくれた。
わぁ、感激~! ありがとう、メイメイ (*^▽^*)
遠くからやってきた外国人に自分達の文化を紹介したいっていう気持ち、とっても嬉しいですぅ。私もホントは水かけ祭にも参加したかったよ、メイメイ。
「今、近くに住むおじいさんから電話があって、これからご飯なら、ぜひうちで食べたらどうか、って言ってるけど、どうする? みんな、ぜひ、あなた達に会いたいんだって」
お~っ、少数民族の家で、家族と一緒にご飯なんて、幸せですぅ。ぜひ!(゚∀゚)
どこから聞きつけてきたのか、ここに日本人が来たことはもう噂になっているようだ。まぁ、小さい村だからなぁ。普段あまり事件もないのかも知れない。
「でも、おじいさんの家はね、山の中にあって、ここよりももっと小さな、小屋のような粗末な家なんだけど、びっくりしないでね。そんなところでも大丈夫?」
大丈夫ですとも~! もう、更に珍しい動物になりきる準備もできてるぞ~!パンダでも宇宙人でも、何でも来いだ!
「だったら、すぐに移動しましょう。もう、だいぶ暗くなってきたよ。おじいさんの家は、ここから歩いてまた1時間ぐらいなんだけど、歩ける?」
えぇっ、今なんと!? 今からまた1時間かよ!?( ̄ロ ̄;)
なぜ私がひるんだかというと、この村には一切の街灯がないのだった。日が暮れれば、ほんとう~に真っ暗で、そんな中をどうやって歩くのか?しかも、おじいさんの家は、山の中にあるらしい。街灯が一個もない、真っ暗な山の中を歩くんですかぁ…?(T-T)
「じゃあ、愛する人がバイクに乗せてってあげるわ。もう1台のバイクは、愛する人の友達を呼びましょう。バイクに2人乗りと3人乗りでいけば、早く着くんじゃない?」
ぜひ、その案でお願いします…。
そして、2台のバイク人2乗りで山の中を走り、炊き上がったご飯を持っておじいさんの家へ 急いだ。早く早く! もう外は真っ暗。