< つづき >
「ようこそ、いらっしゃい」
メイメイの親戚一同、勢ぞろいだ。おじいさんは、スターウォーズのヨーダに似ていた`(@,@)´
小屋はぜーんぶおじいさんの手作りだそうで、4畳半ほどの広さになっていた。小屋の隅に、調理場用にカマドのようなものも作ってあり、それとラジオがあるだけだった。壁も床も木と竹で作ってあって、木の床の上にダンボールを敷いて生活していた。
電気は通っていないので、家の中も真っ暗なのだが、手製のロウソクがあるのだった。ミツバチから採った蜜蝋で作ったローソクを、壁の数カ所に直接くっつけて灯りとする。手製のやわらかいオレンジ色の光の中に、ボーっとみんなの顔が浮かぶ。何から何までおじいさんの手作りなのがすごい、と思った。
私が市場で買ったのと、メイメイの庭で採った野菜で、メイメイのダンナさんが食事を作ってくれた。野菜の炒め物が数種類。竹で編んだ大きな籠を逆さにしてテーブル代わりにする。
「さぁ、食べましょう」
「いただきま~す」 (^∀^)
と、思ったら、食べているのは私たちとメイメイ夫婦だけなのだった。なんだぁ、みなさん実は食事終わってたのか!?ただ、私達を見るためだけに、親戚一同ここに集まったのか、こんな暗い山の中を!
みんな、私達の一挙一動に興味深々!
食事をする私達を、ただひたすらニコニコと、しかし、じーっと見つめる親戚一同…。「食べてる、食べてる」 ザワザワザワ…。まるで、おぉパンダが笹を食べてるぞ…というような感じなのだった。
私が 「おいしい~!」 と言うと、「オイシー!」 とそのまま繰り返すヨーダ。みんなもそれに続く。「オイシー、オイシー!ワハハハ」 おぉ、ウケてるウケてる (^o^)
メイメイの庭で採った物だと思うが、野菜の中に見慣れた物があった。ワラビの炒め物だ。私が 「ワラビだ」 と言うと、またヨーダが 「ワラビ!」 と繰り返す。みんなもそれに続く。「ワラビー、ワラビー!ワハハハ」 おぉ、再びウケてるウケてる。
パンダが前転をしたぞ~。…ありがとう (^o^)
また、この地域で作られる手作りの地酒も振舞われた。これも自分達で作っているようだ。私はお酒が飲めないんだけど、こんなときはせっかくの歓迎なので飲んだ方がいいよね?なんだか世界ウルルン滞在記のような雰囲気になってきた。がんばって一口飲んでみる。
と、思ってトライしてみたのだが、強すぎるーっ!!どっひゃー!! (>Д<)!!
私がすごいリアクションをしたので満場、天地がひっくり返るように爆発的にウケた! 今度は、パンダがバック転をしたぞ~。どひゃひゃひゃひゃひゃ!盛り上がりは最高潮だ。 …喜んで頂けているようで私も嬉しいですっ (^o^;
しかし、山の中で、もちろん周囲にも電灯など無く、小屋の中も手作りのろうそくだけなので本当に暗いのだ。みんなで一緒に記念写真を撮ろうと思うのだが、デジカメの画面に真っ暗な闇しか映らないので、あてずっぽうで構えてシャッターを押すしかないぐらい、小屋の中は暗かった。ろうそくも手作りなので、すぐに短くなり、その度にヨーダが地道に継ぎ足していた。ヨーダは、このような素朴な暮らしが好きなのだそうだ。持てる最低限のもので生活していた。香港に住む私には、とても異文化だった。
ヨーダの家族も珍しい者との遭遇で楽しんで頂けたと思うが、山の小屋に呼ばれて本当に嬉しかったのは私の方だった。とても貴重な体験をさせて頂いた。メイメイ、ありがとう。もう遅いので私達はこれでおいとまします。
そして真っ暗な道を再びホテルのある村の中心地までメイメイの愛する人がバイクで送ってくれた。帰り、私の胸がとっても暖かかったのは、飲んだお酒のせいじゃないよ。
しかし、私は1つだけ忘れたことがあった。それは、ヨーダの山小屋でトイレに行くこと。どんなトイレか興味があったぞ~、残念っ。高床式の下の空間で豚の声がしていたので、きっと複数の豚を飼っていたのに違いない。きっとトイレは、穴が開いているだけで、それはそのまま下の豚の住処へ…。あぁ、きっとそうに違いない。