■ 香港経由、旅たびアジア

中国編タイトル

< 中国南方航空は自由席 >

市場で売り買いをする人たち

雲南省の、ミャンマーとの国境近くにある、西双版納(シーサンパンナ)の少数民族の村々に行ってきた。西双版納は、タイ族を中心として多数の少数民族が渦巻く自治州だ。

香港から西双版納までは直行便が飛んでいないため、昆明を経由して、そこから国内便で西双版納まで移動した。

香港-昆明間は、ドラゴン航空を、昆明-西双版納間は、上海航空と中国南方航空を利用した。

私はいつも通路側と窓側とにこだわらないのでどこの席でもいいのだが、今回一緒に行った私の旅友の相棒は窓側が好きなので、もちろん、4便共、窓側を指定した。席は余裕でOKだ。

しかし、中国南方航空では、機内に入ると私達の指定席の窓側にすでに1人の中国人のおばさんが座っているではないか。

「あのー、ここ私達の席なんで、自分の席を確かめて下さい」
「いやじゃ」

えぇーっ、あの、「いや」 とかじゃなくて!( ̄ロ ̄lll)

「そうじゃなくて、チケット見てよ、ここ私達の席よ。ほら」
「私はここが良いんじゃ」

えぇーっ!? あの、「良いんじゃ」 とかじゃなくてぇ~(´□`;)

ここ、インドの列車じゃないんだから…。

どうも、おばさんは、窓側がいいようだ。でも、おばさんがどいてくれないと私達が座れないんだよ。

「ちょっと、おばさんのチケット見せてよ、おばさんここじゃないでしょ!」
「いやじゃー」
「見せろ」
「いやじゃー」

あ、やっぱり!チケットを奪い取って見てみると、おばさんは1つ前の列の、窓から2番目の席になっている。

もめているとスチュワーデスが注意しにくる。
「チケットを見せて下さい。あなたは前の列なので正しい席に座って下さい」
「私はここがいいんじゃー、私の方が先に座った!」

えぇーっ、このおばさんの中では、飛行機の座席は早い者勝ちかよ!?

何か間違ってるぞー( ̄ロ ̄;)

しかも、おばさんの方がスチュワーデスに向かって、すごい勢いで自分の正当性(?)をまくしたてているではないか。中国では正しいものが勝つのではなくて、声と態度のでかい方が勝つのだ。

しかも、機内中に響くぐらいのでかい声だよ、恥ずかしくないのか~?

ついにスチュワーデスが折れて私達を説得する。
「すみませんが、とりあえず、あなたが前の席に座ってもらえませんか?」

なんでやねんっ。中国南方航空は自由席かよ?

仕方ないので、中国語のわからない私が、おばさんがわかっていようといまいと英語でガンガンにまくし立てる。

もう、この時点で既に回りの乗客はクスクス笑ってるし…。

ついにスッチーがおばさんを説得し、ふて腐れながらおばさんが席を立った。
おぉ。

そして飛行機が離陸した。

と、思ったら離陸した瞬間、私の前後から 「おぉ~っ」 という歓声が上がった。そのうえ、離陸直後でまだ機体が上向いてるのに前の席のオヤジが立ち上がって窓の外を覗き込む。

うぉ~、危ないよ、オヤジ、座ってよ!!まだシートベルトサイン点いてるよ!( ̄□ ̄;)

私は中国語はわからないが、「おー飛んだぞ、すげーすげー」、とかなんとか言っているようだ。はしゃぐおじさんとおばさん達。

このはしゃぎようは、まるで、遊園地に来てジェットコースターに乗りました!ひゃっほう~!…みたいなアミューズメント的イベントのような感じなのだった。

もしかして、この人達は飛行機に乗るのが生まれて初めてだったのかも知れない。だから飛行機の乗り方もわからないし、窓側がほしかったのか?

そんなことなら、席を譲ってあげたらよかったなぁ。

でも、ジェットコースターは絶対シートベルト締めた方がいいと思うぞ、おじさん。それに、飛行機は指定席だからね、おばさん。

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