■ 香港経由、旅たびアジア

中国編タイトル

< 北京 1  - 初めての北京は嘔吐袋 - >

フートンの路地

北京留学中の私の幼馴染の友達が香港に遊びに来たのでさっそく間をあけずに今度は私が香港返還前の北京に上陸。香港在住のカンフー友達を誘って2人で行った。

もう私達は、いきなり北京に降り立つ前から度肝を抜かれていた。着陸態勢に入った飛行機の窓から見えた景色は、仮にも一国の首都なのに、とても首都とは思えないような、のどかさ!この全く何もない景色、もしかして行き先の違う飛行機に乗ってしまったのか!?と思った。

当時の香港は、街中の ど真ん中に唐突に空港があり、世界一着陸が困難な空港、と呼ばれていた。飛行機の翼がビルのてっぺんをかすめるように着陸するのだ。空港の周りを取り囲むようにビル群がひしめきあって建っており、地上から見るとビルに飛行機がつっこんで来るように見えて迫力満点なのだ。そんな香港から来たので、よけいに のどかに見えたのかも知れない。が、のどかにしても、ほどがある!(゚∀゚;)

空港では、出口までの通路で 「熱烈歓迎!」 と、パンダの絵の垂れ幕が出迎えてくれた。おぉ、絵に描いたようなコテコテ。パンダかよ!早くも空港でノックアウトだ。

しかし、実を言うと既に機内で私達はノックアウトされていたのだった。機内の背もたれでメニューや機内誌と共に私達が発見したのは 「嘔吐袋」。おぉ。なんとわかりやすい名前。これはきっと嘔吐するときに使うものに違いない。なぜか 「嘔吐袋」 にウケにウケる私達。飛行機を降りる頃には、合言葉は 「嘔吐袋」 になっていた。

もちろん、空港から、中国人の自己中パワーは炸裂、列に並ばない割り込み野郎が続出だ。予想通りの展開に、別に驚かないがムカつく私達。顔面に回し蹴りをカマしたい衝動をこらえる。さらに、空港で働く職員のクセに英語が通じない服務員。これは予想外の展開だ。さすが、嘔吐袋…あ、いや、中国。

空港のトイレでは、トイレットペーパーと見せかけて、トイレットペーパーのふりをした茶色のわら半紙がセットされていた。これじゃー、緊急時のメモ用紙にはなるが、お尻は拭けない…。緊急時のメモ用に、10cmほど持って帰ってきた。水に溶けないほど丈夫そうだ。

さて、北京の町は、香港の中国返還を目前に、喜びに沸きに沸いていた。天安門広場では、秒読みのカウントダウン電光掲示板まであった。秒読みされてもなぁ…。一体あと何万何千何百何十何秒やねんっ。さすが悠久の国はひと味違う (´∀`;)

町では、友達の言ったとおり、異常なまでの砂埃にみまわれる。しゃべりながら歩くと、砂を噛んでしまう。友達は 「うあ~、顔のしわに砂が入りこむ~」 などと言っていた。

そして町では、一体いつの時代の乗り物やねんっ、とツッコミたくなるようなオールドファッションのバスが幅をきかせて走っていた。しかも、2両連結。これは香港には無い光景だ。その横を馬車が通り過ぎる。おぉっと、異国情緒満点だ~。さすが嘔吐袋

しかし、度肝を抜かれたのは、町の食堂での出来事だった。手ごろな値段で食べられる大衆食堂だったのだが、私達の隣のテーブルで食べていた中国人がランチセットを3分の1ほど残して席を立ったあと、少し離れた場所で立って待っていた女がハイエナのようにサッとその席に座り、平然と残り物を食べ始めたのだ。おぉ。 周りの人たちの反応を見ると、誰も女には関心を払っていないようだ。身なりは普通だ。普通の人が、他人の食べ残しを堂々と席に座って食べるのだろうか?こんなことは北京では日常茶飯なのだろうか? これも香港には無い光景だ。

今回はホテルではなく、友達の住んでいる学生寮の部屋が1室あいていたので、そこに泊まる。北京留学生の生活を垣間見られるぞぉ。トイレ・シャワー・台所は共同で、シャワーといえば、アウシュビッツのガス室のようなシャワー室でシャワーを浴びるのだった。

香港には無い表情を次々と私の前に展開し、私の期待を高める北京。さすが中国!な夜につづく。

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