たった1週間しかないトルコ旅行の中で、パムッカレ(石灰棚の温泉で有名)に行く予定を変更し、イスタンブールへ向かう日を1日早めて私が見てきたもの…。
それは、セマーという旋舞のパフォーマンスなのだった。
…セマーとは?(゚Д゚)b
メヴレヴィー教団(て何?)の修行の1つらしいが、グルグル回って神と一体化するらしい。そして、グルグル舞う人のことをセマーゼンという。宗教的な意味合いを無視して誰が見に来てもいいらしい。私が行ってもいいらしい。
あぁ、見たい、旋舞を見たい!(゚∀゚)
と言うわけで、オリエント急行の終着駅、スィルケジ駅へセマーを見に行ってきた。
セマーは、生演奏をバックに舞われるらしい。楽団が登場だ。とても厳かな雰囲気。
しかし…。厳かすぎて退屈だ。まるで、お経のようだ。10分…20分…30分…(-_-)zzz
おっと危ない、うっかり寝るところだった。
セマーの伴奏をする人たち |
セマーゼンの入場 |
30分ほど経った頃、厳かに入場してくるセマーゼン達。静かにまわりに礼をした後、黒い上着を脱ぎ、おもむろに4人のセマーゼン達は、いきなりグルグルまわり始めた。
え!?( ̄ロ ̄lll)
ただグルグルまわってるダケ!?振り付けは何もないの??
そうなのだ。一言のセリフも無く、振り付けも無く、ただ両手を天に向かって差し伸べ、ただひたすらコマのようにグルグル回っているだけなのだった。
とても機械的&規則的に左回りに自転をくり返すセマーゼン達。人間とは思えない。まるで人形のようだ。背中に電池が入ってるんじゃないか?
と思って、セマーゼン達の背中を凝視してみたが、電池の入れ口は無かった。
そして自転のスピードは、信じられないことに、1秒間に1回転ほどの高速回転。それを、5分間ほどぶっ続けで回るのだ。とても人間技とは思えない。
※1秒に1回転 x 5分、さて全部で何回転?
よく見ていると、彼らは自転しながら公転しているようだった。少しずつなので気づかないが、さっきと4人の位置がそれぞれ左回りにずれている。
左回りがポイントなのだろうか?
自転しながら公転する様は、オルゴールの上で舞うバレリーナ人形のようだ。 そして、セマーゼン達の表情は、魂が抜けた人間のような恍惚状態で、目は半開き、しかし目の玉は動いていないので、どこも見ていないようだ。 5分ほど舞うと一斉に止まり、正気の人間(?)に戻って礼をしている。えぇ~っ、いきなり止まって、よくヨロけないなぁ。直立不動だ。すごい!
1分ほど礼をした後、またおもむろに回り始めるセマーゼン達。再び5分間ほど自転&公転をくり返す。そして止まって1分ほど礼をする。
それの繰り返しで、彼らは30分間、グルグル回り続けたのだった。
※1秒間に1回転 x 30分、さて全部で何回転?
セマーとは、ただひたすら、それだけなのだった。
しかし、とても人間技とは思えないすごさ。舞い終えたセマーゼン達は、礼をした後、黒い上着をつけ、何のセリフも無く、静かに退場していった。
とても厳かな雰囲気なので、会場はしーんと静まり返っていたが、私は心の中で、「ブラボー!」 と叫びまくり、拍手喝采していた。
一体セマーゼン達はどれほどの修行を積んでいるのか?
今回のトルコ旅行では、もちろんセクシーなベリーダンスも鑑賞したけれど、そんなものは、このセマーの足元にも及ばないぞ!と心から思った。