初めてインドに行った時は、インド人に対抗する予防注射を打っていなかったので、着いたらタクシーでホテルまで移動しようと思い、空港に着いて、普通に外に出た。
出たら、まぁ、3ヶ月間日照りの続いた乾いたサバンナで極限に飢えたライオンの群れの中に迷い込んだ1匹のインパラの図、のように、インド人がワラワラと私に向かって突進してくるではないか!
えぇっ、私って、今、飛んで火に入る夏の虫!?( ̄□ ̄;)
って、あのー、そんな大げさなモンじゃなくて、ただタクシーに乗りたいだけなんだけどぉ…。
適当に目星をつけてタクシーまでライオンに、あ、いや、インド人に案内してもらうが、どー見てもこれタクシーじゃないし~、このバンに乗れば、私の行きたいホテルじゃなくてライオンの住処、じゃなくて、地元旅行会社なんかに連れて行かれて無理やり何かのツアーにでも申込みさせられそうだし~、どいつもこいつも、あやしいぞー。普通のタクシーはどれだ?
一緒に到着した他の乗客はツアー客や地元の人ばっかりなのか、みんな次々と専用車なんかで去っていく。もう夜も遅いし、もたもたしてると、全てのライオンが私に向かって突進してくる羽目になるではないか。しかし、どのバンも信用できなくて乗れない…。
意を決して、わらわらと寄ってくるライオンの群れを突破し、どのバンにも乗らない決意を背中にみせながらその場を去ろうとすると、悔しまぎれに背後からインド人の叫ぶ声が私の背中に突き刺さる。
「ブス!ブス!」
えぇっ、この美人の私に向かって、ブスとはー!?ヽ(`д´;)/
こんな単語だけ日本語かい!?うおりゃ~、インパラも怒るぞ、いい加減にさらさんかいっ!!
と思ったら、
「市内行きブスは10分後だよ」 「ブス乗り場はこっちだよ」
…あ、バス は、インド人の発音で、ブス、なんですか??あ、そ、そりゃ~、そうよねぇ…私もそう思ったのよ、ホホホ…(^o^;
しかし、乗る前によく観察する。このブスなら、普通のブスっぽくて、他の乗客と乗っていけば安全そうだ。 よかった、仲間のインパラの群れに合流できたって感じだ。そして、そのブスで、市内まで安全に移動したのであった。
ふはー、インドでは空港に着いた瞬間からいきなりインド人との戦いかよ。よくあのライオンの群れを突破したよな、私…。
…と、締めくくりたいところだけど、空港内からプリペイド・タクシーを手配すれば、このようなインパラ状態は避けられたのだった。
こんなこと、フツーにガイドブックにも書いてあるじゃんっ、ちゃんと読めよ、私っ (´Д`;)